10月15日(日)、まちなか集会所にて、鵜川晃先生(大正大学社会共生学部公共政策学科 教授)を講師として、「フィンガーペインティングについて知ろう」を開催し、協会職員、日本語支援ボランティア、外国にルーツを持つ子供たち(6か国、中国・フィリピン・モンゴル・ネパール・カンボジア・パキスタン)など、25名が参加しました。

協会では、東日本大震災直後から、外国にルーツを持つ方を対象とした専門家による「心の講座」を実施してきましたが、今回は普段、不安やストレスを抱える相談者や子どもに向き合って支援する側の協会職員、日本語支援ボランティア等も参加して、心理療法としてのフィンガーペインティングの手法を学び、実際に絵具を使って体験しました。

まず、フィンガーペインティングを始める前に、グループ毎に、言葉や声に頼らない無言のコミュニケーションで、互いの誕生日をあてるゲームを行い、互いの緊張感や距離間を縮めた後に、フィンガーペインティングを体験しました。

グループに分かれ、無言のまま、筆を使わずに、好きな色の絵具を直接手につけて、白い紙に自由に描いていきました。すぐに自分の世界感に集中する人、他の人が描くもの、使う色に意識を向けながら描く人、無言のコミュニケーションの中では理解できないことが多く、思いもよらない色あいの絵ができあがったグループや、それぞれの心の中にある描きたいテーマを互いに想像しながら、そのテーマに合わせて描いたグループなど、様々でした。また、子ども達の体験では、開始直後は、自分の周りだけに限定した小さいスペースに遠慮がちに描く子どもが多くみられましたが、時間が経つにつれて、他の人の塗った絵の具の上に色を重ねて、紙が破れたりしながらも、6色の絵具が何層にも混ざりあって、濃い複雑な色合いの絵が出来上がりました。

最後に、出来上がった絵に、グループごとに絵のタイトルをつけて、絵の意味や、どんな想いで描いたかなどについて発表し合った後、思い切り、自分達でびりびりに破いて、投げたり、床にたたきつけたりして終了しました。

フィンガーペインティングは、柔らかい絵の具に触れ、言葉で表現できない心の中を絵の具で紙の上に表現することで、もやもやしたストレスを解消するセラピー効果があります。幼少期にした泥んこ遊びには、このような効果があったようですが、言葉に頼らず、言葉にならない感情や自分の世界を表現するための手法で、大規模災害後の被災者に対して実施したり、今回のように、異なった言語を持つ子ども達同士の交流の手段としても利用されているそうです。

鵜川先生のガイドに従って、無心になって、絵の具の柔らかい感触を肌で感じて、自分でも気づかない心を表現することで、子ども達だけでなく大人も心を解放できたようです。

参加者からは、講座終了後は、心地よい疲れとリラックス感を味わい、夜はぐっすりと安眠できたという感想もありました。

今回も、講座の開催のために東京から駆けつけてくださった鵜川先生に感謝します。また、協会でインターンシップ中の鵜川先生の大学の学生の小森さん、講座のアシスタントとしての協力、ありがとうございました。

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